美しいものを美しいと思えるあなたの心が美しい
相田みつを,素敵な言葉を持っている人だな.
「にんげんだもの」しか知らなかった.
美しいものを美しいと思えるあなたの心が美しい.
汚れたものが沢山有る.
瞳に映るのは鬱蒼とした疲労感だけ.
ただ下を見て小さな画面をひたすら動かしている.
人
人
人
思考を止めることが一番楽だと知っている.
いつから人間をやめてしまったのだろう.
小さな頃一番なりたくなかった人になってしまった人達.
(それに気づかない人たち)
夢の中で幾つか魔法を使って退治した醜い生物は
実は自分自身だと知っていた.(知らないふりをしていた)
感情を足の先に移動させて
使い慣れた仮面を被れば出来上がりだ.
その瞳に映るものは全て灰色で
小さな感動が音もなく通り過ぎていく.
ふと画面から視線を上げて見た景色が
ふいに感情を脳裏にまで瞬間移動させてしまうことがある.
僕らはやはり人間で,感情を殺すことなんて出来ないんだと知る.
その景色は知っていたはずなのに息苦しくなって
昔の僕には近すぎたのに今は手が届かなくなってしまっている.
なんて美しいんだろう,世界は
僕が無視し続けていた世界は
ずっと僕に対して輝いていたんだ.
知らなかった(いや知っていたんだろう)
隣りに座る君が「きれいだね」と笑う.
僕は上手く笑えていただろうか.
とてもきれいだ.
この世界をきれいなものに見えた君がとてもきれいだ.
それに気づけた僕は少しきれいになれただろうか.
(大丈夫.それに気づけた君の心はきれいだよ)
(ちゃんと見えているよ)
(君は息を吸って吐いて,そこにいるって)
(わからなくなっていたみたいだ)