時計の秒針音

少しずつコツコツ意味を貯めてく

雫が落ちたら、

雫が落ちたら、

僕らは狂ってしまうのかもしれない

哀しいは哀しいのままで

どうやって昇華するのか,その方法は誰も教えてはくれない

偉い人はどうして偉いんだっけ

優劣を付けるのは,全部僕ら人間だった

君と僕の間に大きな差は無いのに

なぜか大きな差が出来てしまっている

 

雫が落ちたら、

海ができるのかもしれない

大きな海に飲まれて沈む船が

なぜか美しく見えてしまった

太陽が沈んで,月が出てきて

さあて,僕らは次は何になるのだろうか

 

雫が落ちたら、

僕らは泣いてしまうのかもしれない

太陽の下で生きる僕らには

全部が光って見えているはずなのに

影ばかり追ってしまうなんてどうしようもないね

 

傘をさしたから雨が降って

雨が降ったから雲ができて

雲ができたから君が泣いて

君が泣いたから夜が来る.

さよならの朝に約束の花をかざろう

「さよならの朝に」の画像検索結果

ぎりぎりになって観ることができたので,自分の記録のためにもここに残しておきたい.

 

僕はこの映画を観始めた時,「永遠」がテーマであると思っていた.

長寿の一族である主人公と人の子が,出会い死ぬまでの話で,「永遠の命を多くの人は望むけれど,それは決して良いものではなく,異なる者同士が出会ってしまったら哀しみしか生まない」ということを伝えたいのかなと思っていた.

人の赤子を拾った主人公は,母として共に生活していき,いつか人の子が母の時間を通り過ぎてしまう.主人公は永遠を前に無力で,愛するものは歳を取っていき死ぬ.

冒頭で「外の世界に出たら,誰も愛しては行けないよ.本当の一人になってしまうからね」という長の言葉があった.

それは,長も昔人間の世界に足を踏み入れ,人間と愛し合い,そして愛して人が死ぬのを見届けたことがあったからだろう.

決して混じり合えない種族の隔たりがそこにはある.

 

(ただ,主人公の声があまりに甘ったるくて,感情移入が難しかった.

また,幼少期の人間の子の棒読み感も観てて辛くなってしまった.

それがもっと良ければ最高の映画だったな)

 

風景もとても美しく,音楽も最高だった.音楽はサントラまで購入した.エンディングの曲が特に好きで,ボーカルの方がrionosさんという方だった.

 

twitter.com

 

 

歴史を織り込む機織りの一族というのも,今までに無い新しさがあった.

人が生まれてから死ぬまで,それを1人の年を(ほぼ)取らない母が看取っていくということ,を伝えたかったらしい.レビューを見て知った.

 

人の子が主人公の手から離れ,人と愛し合い家族を作るところがあり,それと戦争シーンが同時進行していたので,僕はてっきり,またその母親が戦争で死に,子供を主人公が拾い育て,歴史は無限に繰り返す,ということを表現したいのかなと見ながら思っていたから,そこは予想を裏切られ意表を突かれた.

 

もう一回しっかり観たい映画だ.まだまだ自分の中で浅い部分が多く,とにかく忘れないうちに残しておこうと思った次第.

 

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この作品を受けてできた音楽がノクターンの「機織り機」という曲だ.

 

music.apple.com

 

なぜ轟音を選んだのかだったり,映画を観たあとだったらさらによくわかるかもしれない.聴いてみてくれると嬉しいな.

 

 

 2019/9/22追記ーーー

僕のTLで話題になったので思い返してみた.

自分に子供ができたとして,その子が天寿を全うし死ぬまでをみることができる親はどれだけいるんだろう,と今ふと思った.普通だったら親が子を看取ることはできない.

 

エリアルという少年が異性を意識しだしたタイミングの,心の葛藤が辛かったのを映画を観ていた時に感じたのを思い出した.なぜレビュー当初に書かなかったのか.

親にしては幼い容姿であるマキアを,最初は親だと思うが,徐々に容姿が自分と近くなり異性として意識しだしてしまうところがかなりリアルだった.普通であれば親は自分の成長とともに年老いていくが,それがない.同世代の異性なのに親という矛盾がエリアルを苦しめていた.その心情描写がかなり細かく描かれていたと思う.

そして,自立し自身の家庭をもつエリアルは,最後人間として天寿を全うし死ぬ.

この生命の流れを見ることができたマキアの心はどういう感情だったのか.

僕には一生理解できないかもしれないな.

何かの生命が生まれ,死ぬ.

その一つの区切りを最初から最後まで見ることができたマキア.

それはとても美しい関係性だと思った.

 

エイリアが図らずとも人間との子を生み,それを捨て自分の人生を生きる選択をしたところ,ここは何か大きな衝撃があった.イオルフの民にとって,その出来事というのはヒビオルの小さな綻びや傷であるだけなのだ.長い生命の中のほんの一部であるのだ.

 

何もかもとりあえずでたらめな世界の所為にして生きていこう.

君を失うことも,正しい選択ができなかったかもしれないことも,誰かを傷つけてしまったことも全部.

それを見つけてしまったから

それを見つけてしまったから

その道を見つけた人は

見つけた責任があるって言われた

 

僕にとってそれは音楽で

みつけてしまったから,最後まで責任を取らないとねって

すごい重い言葉だ

 

見つけた責任を果たさないと

夢に失礼だ

簡単に投げ出していいものじゃない

 

 

思えば小学校2年生の国語の時間に

詩を書く時間があって

それはとても楽しかったな

 

先生はその中から優秀な作品を選んで褒める

そこに僕の詩は無かったな

 

まだ覚えている

太鼓の詩だった

どんどんどん

どんどんどん

僕の詩は無かったな

 

その頃の僕の基準は先生だったから

先生に褒められなかった僕の詩は良くない詩なんだって

思ってしまった

そんなことないのに

 

他人の価値観に合うか合わないかの話だ

 

僕が愛してあげなかったあの詩は

もう一生愛されることがないんだ

 

僕はもう忘れてしまった

 

どうか僕の記憶が永遠に残っていれば

 

あの時の僕が   僕であることを信じてあげていれば

 

あの日の自分に もう誰も墓を立てることは出来ない.

 

音楽はビジネスか,手紙か,芸術か

なんだか最近,調子が悪くて,

作りたい音楽はあるのに,何故か頭から外に出てこない息苦しさに襲われている.

 

不安定な状況と,沢山の決断に頭がパンクしそうで,

好きな詩集を読むことも疲れてしまって,

すぐに眠りについてしまう.

 

 

 

ふと,自分の音楽を聞く時があって,「やっぱりこれはわけがわからないな」と思った.

 

例えば,雨傘と天気雨なら,「光が射しながら雨が降る.僕らは空に染まる」という詩があって,

これに自分を重ねたりすることって,誰も出来ないんじゃないかなって思う.

誰かに,何か自分の思いを伝えたいわけでもない.

僕らの音楽は芸術だ.

 

音楽には色んな種類があるけれども,なんだか3種類に分けても良い気がするんだ.

 

お客さんが好きな音楽を作るビジネス的な音楽と.

 

自分の思いの丈を伝えたい手紙的な音楽と.

 

ただ自分の好きなように作る芸術的音楽.

 

自分の思いを相手に伝えるって僕には全く理解できなくて,すごく疲れてしまう.

僕には僕の考えがあって,誰かには誰かの考えがあって,それでいいのに,「これはこうである」って言うのをぶつけてくるのってとても疲れる.

 

「お前ら手を挙げれるかーーー」って言うのもさ,手を挙げたければ自分で挙げるし,手拍子したかったら自分でするし,なんだかな.

 

お客さんのための音楽っていうのも有りなのかもしれないけれど,僕的には違うかなと思う.完全に商売したいならそれで良いと思うんだけれど,そこには作り手のぐちゃぐちゃした物は一個もないよね.「こういうの好きなんでしょ?はいどうぞ」って感じが見えてしまって,僕は聞けない,そういう音楽.

それで喜んでしまうのもなんだかなぁ.

 

なんで音楽をやっているのかって,沢山のバンドマンがMCとかで話しているけれど,どうでも良いよね.

そんなの楽しいからに決まってるし,自分が楽しいことを他の人も一緒になって楽しくなれるなら,そんな最高なことはないよね.

悲しい音楽を聞いて,悲しい気分になって泣いちゃうのも楽しいよね.

懐かしい音楽を聞いて,夕焼けが目に染みるのも楽しいよね.

だからやっているんだよね,僕らはきっと.

だから音楽聞いてるんだよねみんな.

 

それってとても素敵なことだ.

 

何が芸術かって,わからないけれど,僕は僕の信じることをしたいし,それにみんな付いてきてくれれば良いな,と思っているつねづね.

勉強

勉強を振り返ると,僕は自分のものにするまでに大変時間がかかっていた.

塾や学校では,問題の解き方は教えてくれるけれども,勉強の仕方を教えてくれる人はあまりいないのではないだろうか.

問題に対するアプローチ,つまり戦い方を教えてはくれるんだけれど,武器の持ち方や作り方を教えてくれる人に出会ったことはなかったな.

魚を与えるんじゃなくて,釣り竿を与えて魚を自分で釣れるようにする.みたいなことわざあったよね.
自分で武器を作るまでに,僕はとても時間がかかってしまい,それを扱う時間がまたかかり,結局不完全なまま立ち向かうことが多かった.

 

自分の頭の中で,沢山処理して,自分の形を作って初めて上手く使えるようになるし,使えるようになったら応用ができるようになる.

 

なんでもそうで,まずは戦うための武器を作ることが大切だ.

 

 

と,受験期の弟を見て思う.

乾電池

人間は充電が効かない乾電池だ.

また,言い換えれば花ということも出来る.

生まれた瞬間開花して,死ぬまでに何枚もの花びらを散らしていく.

だから,散っていくさまが美しいから,僕らが生きているそれだけで美しいのだろう.

 

死ぬまで音楽をしていたい.

多くの時間を家族と過ごしたい.

好きな人と過ごしたい.

大切な人と過ごしたい.

 

僕が76歳で死ぬとして

残り時間は53年間.

人が定年退職するのは60歳だから,それまでは37年間.

時間は有限,僕のことを嫌いな人に割いている時間は無い.

その分好きな人や大切な人,大切なことに時間を割かないと.

 

今こうして文字をおこしている時も,電池から放電している.

何をやるにしても,時間がない.時間が無限にあるなんて誰が言ったんだ.

全然ない.

 

好きなことをしていたい.

好きな人と一緒にいたい.

僕を嫌う人に愛想笑いする時間がもったいない.

「自分のことを好きな人が好き.」

それでいいよ.

 

僕らの命は有限なんだから,何に使おうが勝手なのさ.

走りきりの車じゃなくて,僕らには色々な可能性があるのだから.

 

あと500年位生きていたい.

そうすれば少しくらい,無駄なことも出来るかもしれない.

 

一回しか生きれないから,本当に毎日全力でやり遂げないとダメみたいだ.

 

まだ,生きていたい. たくさん生きていたい.

やりたいことが多すぎる.足りない.

月光を照らす vol.1

遅くなったけれど,大事なことなので記録としてしっかり残しておきたい.

僕らノクターンとしてどこまでできるのかの限界に挑戦した日.

12月20日下北沢LIVEHOLICでレコ発企画ライブ「月光を照らすvol.1」を開演した.

 

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この企画は,ねねちゃんノクターンに加入して初めてレコーディングした曲達で構成されている「空に染まるe.p.」の発売記念イベントだ,

twitter.com

バンド形態で初めてライブをしたのが今年の4月ごろ.下北沢ReGだ.

それから現在に至るまで彼女は本当に成長したし,今も成長しているしこれからも成長すると思う.

良いドラムを見つけることが出来た.本当に良かった.

 

僕らはこの企画で人が呼べなかったらもう解散するしかないと思っていた.

いくら自分達の音楽に自信があっても,自分達が主役の企画でちゃんと結果を残せなければ,それは客観的に良い音楽では無いのだろう.本当にそのくらいまで切羽詰めていた.

 

僕が今ある全ての芸術的思考を余すところなく吐き出した曲だ.もうtwilightのときとか死にそうになっていた.

 

企画するにあたって,平日ということもあり僕は本当に不安だった.本当にお客さんは来るのか?

いや,くるはず

いや,でも下北沢遠いし

いや,でも本当に音楽が好きな人はここに来なくていつ来るの?

いや,でも...

 

という自問自答を何度も繰り返していた.

僕らの音楽は,今のシーンの音楽では無い.間違いなく.

所謂Jロックから外れた位置にあり,ライブをしても「うおおおおお!!かっけぇ!!」というような風にはならない.知っている.

僕らは音楽に芸術の要素を求めているからだ.

共感とかいうわけわからないものではないんだ.

詩と音楽,どちらも最高に美しいんだから,二つ合わせれば必ずもっと素晴らしいものが出来上がるではないか.

その思想を高校生の時から抱いていた.

 

バンドマンとブッカーに受けの良い音楽,とよく言われるし,自分達もそう思っている.

でもTwitterなどで広がるのは,決まってJロックだったりする.

だから,「企画来んのかな,人」と漠然とした不安に押し殺されそうになっていたのである.

ただ,様々なブッキングの際に間違いなくこの音楽界隈のバンドもいて,みんな同じような悩みを持ちながら自分達の音楽を信じて突き通していて,僕はその人達と一緒に頑張っていきたいと思ったし,負けるかとも思ったし,すごく良い刺激になっている.互いに尊敬し合えるバンドが増えたから,一緒にシーンを作れると信じている.

(友達増えた.とても幸せだ.) 

 

 

どうせだから音源についても語ろう.

出来た順番は

1.雨傘と天気雨

2.水源

3.twilight

の順だ.

雨傘と天気雨は,渋谷CLUB CRAWLのラジオでも流してもらったりしたので知っている人も中にはいると思う.

ただ,最後のtwilightは聞いた人も少ないのではと思う.

 


ノクターン『twilight』

ぜひ聞いて欲しい.

この企画のために撮り下ろした.

主演はミスiD2018で東佳苗賞を受賞した美鈴さん.

twitter.com

(受賞する前に発見できてよかった.)

 

twilightとは黄昏のことで,太陽が登る・沈む途中で起こる全てがぼやけてしまう瞬間のことだ.

人は歳を取る度に,どんどん同じように無個性になっていってしまう.

輪郭がぼやけていくのだ.

僕らは完全な生き物じゃないから,だからこそ触れ合ったりしないと壊れてしまう.

心は満ちたり,満ちなかったり不安定で,なんて脆いんだろう.

泣いたり笑ったり怒ったり,そうやって色んな色の君がいる.それを押し殺して無個性になっていく.

それは本当に哀しいことだ.

君はきっと「それはきっと間違ったことだ」と気づいているんだけど,なかなか言い出せない.

そんな中君が密かに抱えた心の闇に僕は触れたいんだ.

ぼやけた君の輪郭を僕は捉えているのだ.

 

 

 

本番,僕らは本当に様々なバンドに支えられた.

特に対バンとして出てくれた

奮酉

プールと銃口

宇宙団

Marmelo Brewery

には感謝しかない.

 

奮酉に関しては以前のレコ発でも出てくれた.本当にありがとう.

 

彼・彼女らのライブは本当に素敵で,呼べてよかった.

 

 

僕らの出番.僕はノクターンとしてライブを企画するなら,他のバンドとは明らかにすることが違うと考えた.

ライブ中のMCを筆頭に,僕らは様々な要素を詰めた.

僕らはライブ中にMCをしない.

それはノクターンのセカイを破壊しかねないからだ.

またアンコールのタイミングでの一工夫もした.(来た人しかわからないけど)

来てくれた人が「こんなインディーズのライブ見たことない」と感じるよう本当に考えた.会場SEも本当は自作したかったなぁ.

来てくれた人が「たった30分だったけど,今までに見たことのない,大きな1つの物語を見ているようだった」と言ってくれて,自分達のやりたいことが達成できたと思った. 音楽で,ライブで一つの物語を作る力がある証明だ.これからも頑張りたい.

 

当日のセットリストは以下の通り

  • 月光を照らす
  • 逆光と言う名の花束
  • 水源
  • 雨傘と天気雨
  • 救命するグレートヒェン
  • 「」
  • ホーラの映写機
  • twilight

Anc

  • レンガ通り

本当にたくさんの人達に来てもらった.

最高のライブが出来たと思う.君の記憶の一部になれたなら,それはとても素敵なことだと思うんだ.

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「月光を照らす」の音源は,当日デモ版として先着約30人に配布した.

また,ノクターンの取り置きの人には缶バッジをプレゼントした.

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白と黒の2色だ.三角形は月から降りてくる月光を表している.オシャレでしょ?

空に染まるe.p.を購入してくれた方にも配っているので,今後も購入してくれた人には配布するのでお楽しみに.

 

2018年夏頃に,新たなレコ発企画を行う.

月光を照らす vol.2

今から楽しみである.