時計の秒針音

少しずつコツコツ意味を貯めてく

ノクターン月花の旋律ツアー「白色の記憶」について

こんばんは

(本当は,職場のひどい状況についてのブログを書こうと思っていましたが,そんなのどうでもいい)

 

本日解禁になったノクターン月花の旋律ツアー 最終章「白色の記憶」について,色々考えているところがあるので,文章にして残しておこうと思います.

(タイトルですが,盛大に格好つけさせていただきました.意味はあるよ.)

 

今回注目してほしいのは,料金設定です.

3マンの企画で下北沢MOSAiCで箱貸し切ってやるので,普通は2,500円とかになります.

また,当日券と前売り券っていうよくわからないシステムもあって,バンドマンもライブハウスも,よくわからないまま「今までもこうやってきたから」ということで,何も考えず設定しているのが現状だと思います.

 

まず,僕はインディーズバンドは曲を聞いて知ってもらい,好きになってもらうことが第一ステップだと思っています.どのバンドも個性豊かで話してみるとすごい楽しかったりするんです.嫌いになる人なんてほとんどいないと思います.

ただ,その演者との接点がものすごく少ない.そして,実態がよくわからないバンドのライブにチケット代2,500円+ドリンク代500円かけるのって,結構勇気いりませんか?

真の音楽好きであれば,「音楽にはそれくらいの価値がある」とご存知だと思うので,特に疑問を持たれないと思います.ただ,それが日常のBGM代わりだとか,CMで聞いたことあるとか,TikTokが全てだと考える人たちには,「その3,000円で服買えるじゃん」ってなってしまうと思うのです.

なので,今回は3マンですがチケット代金を1,500円という破格の値段にしました.正直赤字になると思います.

なので,ちょっとでも興味ある方は,好きなバンドに「チケット予約しても良いですか」と声をかけて下さい,もちろん僕らノクターンの企画なので,僕らに声をかけてくれると一番うれしいのですが,対バンのスロロリスやkasa.も最高なので,彼らに声をかけるのでも全然良いです.

とにかく,最初のハードルを低くしたかった.最高の音楽って,実はテレビとかそういう場所じゃないところにこそあるんだよって知ってほしい.

 

そして,前売りと当日券制度を廃止しました.

 

当日に時間ができて駆け込みで来てくれる人から,高いお金を取る意味がわからない.

なのでどの日程でもたとえ当日であっても,1,500円にしました.

「え,じゃあ予約とかいらなくない?」と思うかもしれません.

 

ぶっちゃけいらないです.

ただ,予約をしてくれると,バンドのモチベーションが圧倒的にあがります.

「あ,この人僕・私達に興味があって,お金払って来てくれる人なんだ.うれしいな」って思います.

なので,バンバン声をかけてほしい.声をかけて予約してほしい.

善意の元にある考え方なので,ビジネス的には最悪の考え方ですが,それで良いんです.

僕らはビジネスで動いていないから.

 

好きな音楽をみんなで楽しんで,最高の想い出,最高の夜にしたくないですか.

 

そのために,みんなで一緒に良い日を作りたい.

 

「やった!今日仕事早く終わったわ!!ライブ間に合う!!急げ!!」ってすごいドラマチックじゃないですか?

走ってチケット代払って,最高の音楽をライブハウスで聞いて,帰れるって幸せだと僕は思うのです.どうですか.

 

僕らも最初のハードルを下げるため,また最高の1日にするため全力で頑張っています.

なので,興味が少しでもあれば,時間を作って,ライブに来てほしいな.

土曜日だしさ.笑

 

(本当は1ドリンク制に関してもどうにかしたかった...)

 

できれば,拡散してこういうことを考えている人達にも届けてほしかったりする.または意見募集

 

 

ーーーーーーーーーーーーー

 

 

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ツアーフライヤー

 

5/18()下北沢MOSAiC

ノクターン月花の旋律ツアー 最終章

白色の記憶

 

ノクターン

kasa.(三重)

スロロリス

 

ALL¥1,500(D)

OPEN17:30/START18:00

 

予約は下記TwitterアカウントへのDMやリプライ,またはHPから受付中.

twitter.com

nocturne44words.jimdo.com

ノクターン月花の旋律ツアー「白色の記憶」について

こんばんは

(本当は,職場のひどい状況についてのブログを書こうと思っていましたが,そんなのどうでもいい)

 

本日解禁になったノクターン月花の旋律ツアー 最終章「白色の記憶」について,色々考えているところがあるので,文章にして残しておこうと思います.

(タイトルですが,盛大に格好つけさせていただきました.意味はあるよ.)

 

今回注目してほしいのは,料金設定です.

3マンの企画で下北沢MOSAiCで箱貸し切ってやるので,普通は2,500円とかになります.

また,当日券と前売り券っていうよくわからないシステムもあって,バンドマンもライブハウスも,よくわからないまま「今までもこうやってきたから」ということで,何も考えず設定しているのが現状だと思います.

 

まず,僕はインディーズバンドは曲を聞いて知ってもらい,好きになってもらうことが第一ステップだと思っています.どのバンドも個性豊かで話してみるとすごい楽しかったりするんです.嫌いになる人なんてほとんどいないと思います.

ただ,その演者との接点がものすごく少ない.そして,実態がよくわからないバンドのライブにチケット代2,500円+ドリンク代500円かけるのって,結構勇気いりませんか?

真の音楽好きであれば,「音楽にはそれくらいの価値がある」とご存知だと思うので,特に疑問を持たれないと思います.ただ,それが日常のBGM代わりだとか,CMで聞いたことあるとか,TikTokが全てだと考える人たちには,「その3,000円で服買えるじゃん」ってなってしまうと思うのです.

なので,今回は3マンですがチケット代金を1,500円という破格の値段にしました.正直赤字になると思います.

なので,ちょっとでも興味ある方は,好きなバンドに「チケット予約しても良いですか」と声をかけて下さい,もちろん僕らノクターンの企画なので,僕らに声をかけてくれると一番うれしいのですが,対バンのスロロリスやkasa.も最高なので,彼らに声をかけるのでも全然良いです.

とにかく,最初のハードルを低くしたかった.最高の音楽って,実はテレビとかそういう場所じゃないところにこそあるんだよって知ってほしい.

 

そして,前売りと当日券制度を廃止しました.

 

当日に時間ができて駆け込みで来てくれる人から,高いお金を取る意味がわからない.

なのでどの日程でもたとえ当日であっても,1,500円にしました.

「え,じゃあ予約とかいらなくない?」と思うかもしれません.

 

ぶっちゃけいらないです.

ただ,予約をしてくれると,バンドのモチベーションが圧倒的にあがります.

「あ,この人僕・私達に興味があって,お金払って来てくれる人なんだ.うれしいな」って思います.

なので,バンバン声をかけてほしい.声をかけて予約してほしい.

善意の元にある考え方なので,ビジネス的には最悪の考え方ですが,それで良いんです.

僕らはビジネスで動いていないから.

 

好きな音楽をみんなで楽しんで,最高の想い出,最高の夜にしたくないですか.

 

そのために,みんなで一緒に良い日を作りたい.

 

「やった!今日仕事早く終わったわ!!ライブ間に合う!!急げ!!」ってすごいドラマチックじゃないですか?

走ってチケット代払って,最高の音楽をライブハウスで聞いて,帰れるって幸せだと僕は思うのです.どうですか.

 

僕らも最初のハードルを下げるため,また最高の1日にするため全力で頑張っています.

なので,興味が少しでもあれば,時間を作って,ライブに来てほしいな.

土曜日だしさ.笑

 

(本当は1ドリンク制に関してもどうにかしたかった...)

 

できれば,拡散してこういうことを考えている人達にも届けてほしかったりする.または意見募集

 

 

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ツアーフライヤー

 

5/18()下北沢MOSAiC

ノクターン月花の旋律ツアー 最終章

白色の記憶

 

ノクターン

kasa.(三重)

スロロリス

 

ALL¥1,500(D)

OPEN17:30/START18:00

 

予約は下記TwitterアカウントへのDMやリプライ,またはHPから受付中.

twitter.com

nocturne44words.jimdo.com

月花の旋律ツアー 皮切りライブ at 下北沢LIVEHOLIC

お久しぶりです.

 

最近文章を書くことがとても億劫になっていて(というのも,レコーディングやら企画の準備やら何やらカニやらでとてもしっかり時間を作ることができなかった)遠ざかっていたのですが,昨日のライブに関しては色々思うことがあり,これは文章に残しておく必要があると思った.

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TOURフライヤー

 

 

昨日の対バン

 

・manent

・ボールプール

・kiririto

 

の4マンで,各バンドの持ち時間を通常のブッキングライブよりちょっと多い時間に設定した.

ご出演していただいた各バンドのみなさん.本当にありがとうございました.

僕はとても幸せだった.打ち上げまで楽しかったし,色んな話ができたし幸せな時間だった.

 

話は戻るけれど,なぜ長尺にしたのかというと,ノクターンが30分の尺だと自分たちの表現したい音楽ができないから,もう少し長いロングステージにしたいという希望からだった.

 

30分って短くない?

僕らの曲,比較的長い曲が多いんだけれど(特に私の聖域なんて6分30秒くらいある),多分聞いてもそんなに長い印象ないんじゃないかなと思う.少しからくりがあるんだけれど,それは書きませんが.

 

6分半の曲だったら,4曲やってSE入れたら終わり,これは本当に一瞬.

 

だから今回もう少し膨らみをもたせて,色んな曲ができるようなセットリストにした.

ーset listー

夜の海岸、星の欠片を拾う少女

eclettica

ステューカ

透過する光

音楽室

twilight

私の聖域

en 水源

 

 

(内野くんいつも格好良い写真ありがとう,今後とも本当によろしく.)

 

一応新譜を出したあとの企画だったから,新譜の流れに沿ったセットリストにした.いつも聴いてくれてる人だったらより楽しめたんじゃないかなって思う.

 

最初の3曲は,ノクターンの中でもかなり軽い曲を並べた.ライトな感じで聞きやすい.

残り4曲で一気に中心に向かっていく感じ.

これって,ライブ来てくれた人は感じれるのかな.

僕はノクターンのライブを自分で見てみたい.

 

最後に中心に潜って潜って潜って深層に辿り着いていく.その感じがライブで伝わったなら,僕らの昨日のセットリストは正しかった.

 

去年ちょっとあってバチっちゃったヒヲエルのジュンヤ君ともちゃんと話せてとても良かった.バンドを続けることが最優先だもんね,僕もジュンヤ君の立場だったらどうしてたかわかんないや.わだかまりが溶けてよかった,今後共よろしく.

 

外打ち出てくれたボールプールの眠り棒さんとアオさん.僕は普通にボールプールのファンなので,飲み会でいろいろ話せてとても楽しかった.お二人はとてもバランスがいいなと見ていて感じました.また一緒になにか楽しいことしましょう!とりあえず2月24日楽しみです.

 

そして,今中さん.2月を最後ににLIVEHOLICをやめられるということで,僕は本当にいろいろお世話になったから感謝しかないです.直接も言ったしLINEでも書いたけれど,ノクターンを見つけて下北沢に初めて呼んでくれたのが今中さんでよかった.そこから世界がパッと開けて一気に道が伸びて今に至っていると思ってます.この恩は売れることでお返しになると思っているので絶対売れます.

昨日言われたとおり,この界隈を引っ張っていきます.その責任背負います.責任背負うと僕は強いんです.やったります.(これ今中さん読んでるかわかんないけど 笑)

 

そして,昨日来てくれたみなさん,本当にありがとう.もうほんとにありがとうしか出てこなくて,ボキャ貧でごめんなさい.こうやって良いと思ってくれて,音楽を聞いてくれて,声をかけてくれて,「良かったです」って言ってくれて,いつもなんて言って良いのかわからんのです.ありがとうしか出ないんです.すみません.

みなさんのことは,本当にいつまでも覚えているし,これからも仲良くしたいんです.いつも支えられてます.

みなさんにもいつか恩返し絶対するから,それまで待っててほしいです.まだ時間かかるかもだけど.

(あとね,ライブに来たくても来られなかった皆さん,大丈夫です.気持ちだけでも僕らは本当に嬉しい.僕らはまだまだライブをやるから,無理しないでまた来てね.待ってるよ)

 

そして,ドラムのねねちゃん.昨日僕の演奏の調子が良くない時に,不安なはずなのにしっかり見守ってくれてありがとう.その御蔭でちゃんと持ち直すことができた.さすがノクターンのドラムです.信じていてよかった.これからも信じさせてください.

 

来週は京都にいます.ノクターン関西初上陸.

ノクターンみたいなバンドって多分いないと思うんだ〜,だから絶対何か巻き起こしていく.

京都GATTACAさん,よろしくおねがいします.

僕はポルノグラフティの「アゲハ蝶」の世界にずっと囚われている.

先日,三秋縋さんのツイートでこんなのがあった.

 「二度と戻れない、決して触れられない、初めから存在しない、だからこそ永遠の輝きを放つ青空のむこうの少年少女」に焦がれる人々

非常に滑稽だが,「僕のことだ」と思った.正確には僕もこの人々に一人なのか,と気づいた.

僕は,詩を書く時,多くの場合少年と少女を題材にしいている.

無垢で汚れのない少女と,それを見守り追いつこうとする少年.この少年は,実は僕の理想だったりする.

自分の中にある汚れた部分は全て取り払って脱ぎ捨て,残ったところだけ,純粋な部分だけをろ過した存在でいたい.

 

小学1年生の頃,毎月課題曲が決まり,朝の会などで歌わされた.その時にポルノグラフティのアゲハ蝶と出会った.僕とJPOPの邂逅のときでもある.

 


ポルノグラフィティ アゲハ蝶

 

「ひらりひらりと舞い遊ぶように姿見せたアゲハ蝶

夏の夜の真ん中月の下

喜びとしてのイエロウ

憂いを帯びたブルーに

夜の果てに似ている漆黒の羽」

 

僕は虫が嫌いだ,だけれど,この歌に見えるアゲハ蝶は世界で一番美しいと思ったし,

そこには女性的な雰囲気もあると思った.

 

(なぜかこの曲だけ,高学年が発表会の時に劇のような物をやっていた気がする.

青いビニールシートをオアシスにたとえて,たくさんのアゲハ蝶が舞うといった劇だったような.)

 

「あなたが望むのならこの身などいつでも差し出していい

降り注ぐ火の粉の盾になろう

ただそこに一握り残った僕の想いを掬い上げて心の隅において」

 

僕はこの世界から抜け出せなくなってしまった.

 

 

非現実に心を奪われてから,もう18年くらい経つなと思った.決して無いその世界にしか希望を見いだせず,僕には作り出すことしかできない.

心に穴が常に空いていて,それを埋めるために必死に言葉を吐き出すんだけれど,穴に吸い込まれるだけで穴が埋まることがない.その穴が三秋さんが言っていた永遠の輝きなんじゃないかと認識している.

 

青春の煌きか,輝きかはわからないけれど,そこに理想の世界線を作り出して,どうしても手を伸ばそうとしてしまう.決して届かないのに.どうにかその理想の世界にたどり着きたいと思ってしまい,一人で自転車を漕いでいる夜にオリオン座に手を伸ばしてしまったり,電車の中でメタ的な思考をとったりしてしまう.笑っちゃうよね.

電車線路に飛び降りる瞬間は,誰からの視線も受けるので世界の中心にいる気分になるし,その瞬間だけは映画のようなドラマのような感覚になるんじゃないかなとずっと思っている.物語の主人公になるため.

 

小学生の時から現実と非現実というのが明確に区別されていて,非現実の世界を理想と名前をつけて生きたいと切に願っていまに至る.どうにか音楽という表現の場を持つことができたから,音楽をしているときだけはその世界に足を踏み入れられている気がするし,その世界の少年少女に触れられている,いや自分がその少年少女になっているとさえ思って越に浸っている.

 

広大な砂漠の中で,金色の日が後ろから差し込んで,振り向きざまの少女は,非常に美しい顔をしていて,笑顔が素敵なんだ.その笑顔を見てしまうと僕は泣いてしまうんだ.そっと頬に手を触れようとして目が覚めてしまう.

 

僕はアゲハ蝶の世界に囚われてしまっている.

11/19 初ワンマン 「まだ信じたいよ。僕らは、」

2ピースになった決意表明が6月で,8月にレコ発企画「誰かが愛した呼吸」,そして11月19日にレコ発ワンマンライブ「まだ信じたいよ。僕らは、」.

正直過密スケジュールだった.

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確か4月くらいにもうこの流れは決まっていた.

2ピース決意表明企画

レコ発企画

ワンマン

 

2018年は活動の年にすると決め,がむしゃらに頑張ったつもりだ.周りから見たらどうだっただろうか.

ライブやりすぎだったような気もする.

 

レコ発ワンマンになったのは急な話で,9月頃だったような気がする.

 

5月でした.

あ,そうか,5月にワンマンは決まって,曲をレコーディングして音源にしようとしたのは9月とかそのあたりだ.

mini albumのレコ発って決まったときから,アルバム名を「文字盤並びの人々」にするって断言した.EPとアルバムで名前の付け方に一つの一貫性をもたせている.明言はしないけど,多分すぐ気づくだろう.

 

このアルバムのできた曲順としては,夜の海岸が一番最初だった.もともと6月の企画「再考」のアンコールでやっった曲だから.この企画に来てくれた人は歌詞カード持ってるよね?捨ててないよね?笑

よかったら,このアルバムと一緒にしておくといいかもしれないね.

 

そしてステューカができた.なぜだかわからないけれど,どうしても爆撃機の曲が作りたかった.爆撃機が空から落ちてくるのと,女の子が僕には重なった.ツイキャスでも話した通りだけれど,この機体は,落ちてくる時に風を切る音がラッパの音に聞こえたらしい.その音で人々はその存在に気づきサイレンを鳴らし逃げ,隠れた.

僕と君はそのサイレンを通してでしか出会うことができない.

 

透過する光は,もともと「光源」という曲にするつもりでずっと作っていた.ただ,納得できるリフやサビ,メロディが思いつかず,苦戦していた.とりあえずの曲をねねちゃんとスタジオに入った時に何回か合わせたけど,しっくり来なくてお蔵入りにしていた.

 

その間にecletticaのリフが同時進行で完成した.確かTwitterで動画を上げた.

この曲はどうしても「ティカ」を入れたくて,色々と単語をあさっていたな.

(ちなみに間奏はレコーディング前日に決まったので,若干録り直ししていたりする...)

 

光源という曲名を一旦据え置いて,もう一度詩を見直した時に,光を見ているのは瞳だと思い出した.全ては反射していて,その反射によって物体を知覚している.ただ,透明な,例えばガラスを見る時,光は透過してしまい,見ているはずなのに見えていない状態になる.

僕の考え方の大前提に,「人は決して分かり合えない,理解し合えない」というものがある.なのに人はよく「わかる.それってこうだよね」とか言う.

結局僕は透明なままで,その透明な僕を通した世界を見て,知った気がしているだけだと気づいた.

そういう曲です.

イントロの変拍子リフは,様々に屈折する光を表していたりします.裏話.

 

Wonder fallは一瞬でできた曲で,ファズを変えたのを気にちょっと使いたくて作った曲です.

ただ,あのコード進行はとても気に入っています.メロディもわかりやすくできたと思うし,このアルバムの中で一番わかりやすく作れたと思う.

ステューカとWonder fallは僕の中ではセットで,切っても切り離せない関係なんです.だからワンマンでも離せなかった.

 

文字盤並びの人々の最後の掛け合いは,少し面白がって作った.

ちょっと遊びがあった方が絶対楽しいし,掛け合いが繰り返しの意味を含んでいたり,まああんまり全部解説すると面白くなくなっちゃうからこの辺でやめにしよう.

 

Aprilは以前のミニアルバムのリメイクだけれど,がらっと変えた.

 

レコーディングが終わって,ジャケット等のデザインをしながらのワンマンの練習は,楽しかったけれど過酷だった.

ワンマンは4部構成にして,ノクターンというバンドを0から100まで表す必要があった.通常のブッキングだと,その一瞬で表すしかないから,ピックアップした曲で印象つけるしかない.

ただ,僕らが作る曲はecletticaや雨傘と天気雨のような曲もあったり,救命するグレートヒェンみたいな曲もあったり,幅が広い.

そのため,部に分けてやる必要があった.

 

1部は導入.いわゆるノクターンとは,というのをコンセプトにセトリを組んだ.

機織り機の「さあ,今から」には色々な意味が込められている.

 

2部はアコースティックで,もっと来ていただいた方との距離を縮めたいっていう願いから組んだ.

あとちょっとポップな遊びもできるよっていうのを知ってほしかった.

 

3部は深み.暗い曲ばかりではなく,ちょっと明るかったり歌もの色が強い曲を入れた.

一緒に歌えたりすることは,一緒に生きていけることだと思っている.決してあなた達を突き放さないよ,という意味が込められていたりする.一緒に生きていこうね.

 

4部は深層心理.脳内であったり心であったり,人は決してわかり合うことができないということを,ただまとめ上げた.笑っていても,違うことで笑っているし,話したことは半分も伝わっていない.でもそれは仕方のないことだ.それが僕らであり,それを踏まえてみんな生きている.苦しかったり悲しかったり,そういう傷を持ちながら,自分の心に嘘をついて笑ったり,本当に不器用だなって思う.

だからこそ,そういう人たちと一緒に生きていくことができるとも思う.

雑踏に消えかけた君の輪郭を僕は愛しているし,不器用でも生きている君は美しい.

そして,僕の心もあなたの心も,誰も踏みにじることは決してできない,大切な聖域であり,僕らはそれを守る義務がある.

 

僕は人が嫌いだけれど,人が好きだ.

まだ信じたいんだ。僕は、

パスワードの人という音楽

実は,ツイッターで告知されるちょっと前に,ぐみμさんから連絡いただいた.

正直言葉が出ない.

パスワードの人には,僕自身特別な想い出があるので,少し振り返りたい.

 

 

 

パスワードの人との出会いは,渋谷aubeというライブハウスでだった.

その頃はまだ3ピースで,よくグレートヒェンとか国王に告ぐとかを演奏していたし,バンドとしての進むべき方向もまだ定まっていなかったな.

パスワードの人は,その対バンの中で群を抜いて異常だった.それは音楽ではなく表現だった.

僕は圧倒されたし,とても嫉妬した.僕の中の少ないと思っていた固定観念が完全に破壊された.

 

 

ギターがいない.

 

 

ドラムのよてろうさん,キーボードのつっぺさん,そして中央で舞うぐみμさん,くまのぬいぐるみ(熊山くま子).

なんだこれは.

今はその頃何の曲をやっていたのか全く思い出せないけれど,印象深かったことだけはまだきっちり覚えている. 

 

 その日は軽く挨拶をするだけだったけれど,とても印象に残っていた.

 

密かに追っていたので,デザフェスに出演したというツイートを見た時素直に「すごいなー,他のバンドでデザフェスって見ないから,完全にそっちの方向へ行くんだな」と感じたのを覚えている.

 

 

大塚HeartsNextで本当に久しぶりに対バンした時に,「【再考】という企画には,絶対にパスワードの人が必要だ」と思って,何も考えずにぐみμさんに出演依頼をした.

快く受けてくれて本当に嬉しかった.

ぐみμさんとは,感性のところで近いものを感じていた.

バンドとして,近い道を歩いていると思っている.だからこそ一緒に頑張りたかった.

 

きっと見えていた景色はとても近い.

この世界をパスワードの人はあの表現で,僕らはこの表現で表現するしかなかった.

とても険しい道程だ.当たり前だ.

いつだって普通じゃないことは,端に追いやられてしまう.

それでもすり減りながらも,表現するしかなかったんだ.

 

そんなパスワードの人が休止する.

一度休眠するだけだ,大丈夫.そう思っているけれど,悲しさは止まらないね.

 

また,僕を守ってくれていた音楽が止まる.

 

 

 

 

マルメロのときもそうだけど,解散ライブってなると,みんな来るんでしょ,そうだよね,しってる.

 

それもいいと思う,悪いことじゃない,むしろ良いことだ.

でもね,それでもバンドが息をしていた時に,関わっていたい,僕は.

 

突然だった.

企画に2回も出てくれて,精算のときに もう嫌というほど「最高だった,最高だった」と伝えても,それでもバンドは休止してしまうんだ.

 

勝手ながらも,僕らはパスワードの人という音楽を背負っていくつもりでいる.

絶対になくならないし,僕の中にある.

それで,いつかまた「音楽に戻ってきたい」って思ってもらえるよう,この道を照らし続けていくつもりでいる.

 

「三つ編みの言葉を結っていく」

三つ編みのように,僕らの人生はねじれ交わっていった.

言葉を丁寧に丁寧に,それがたとえ伝わらないと僕らは知っていたとしても,結っていくしか無いのだ.

 

 

雫が落ちたら、

雫が落ちたら、

僕らは狂ってしまうのかもしれない

哀しいは哀しいのままで

どうやって昇華するのか,その方法は誰も教えてはくれない

偉い人はどうして偉いんだっけ

優劣を付けるのは,全部僕ら人間だった

君と僕の間に大きな差は無いのに

なぜか大きな差が出来てしまっている

 

雫が落ちたら、

海ができるのかもしれない

大きな海に飲まれて沈む船が

なぜか美しく見えてしまった

太陽が沈んで,月が出てきて

さあて,僕らは次は何になるのだろうか

 

雫が落ちたら、

僕らは泣いてしまうのかもしれない

太陽の下で生きる僕らには

全部が光って見えているはずなのに

影ばかり追ってしまうなんてどうしようもないね

 

傘をさしたから雨が降って

雨が降ったから雲ができて

雲ができたから君が泣いて

君が泣いたから夜が来る.