BUMP OF CHICKENが変わっていくことと,僕らが考えなければいけないこと
こんな経験はないだろうか.
「昔は好きだったのに,このバンド変わっちゃったなー.前は良かったのに」
多分あると思う.
音楽が好きな人は,きっと全員好きなバンドや歌手がいる.僕は,BUMP OF CHICKENが好きだ.もともと他の人より流行に遅れがちだった僕が,中学2年生の頃にBUMPのorbital periodのflybyを聞いて衝撃を受けて,今ギターを弾いて歌っているくらい好きだ.もちろん,BUMPのCDは全て買っている(た).
僕も上記の経験を現在進行系でしている.昔からBUMPが好きな人は,特に最近は思っているに違いない.僕もその一人だ.
昔は荒削りで刺々しく,その中に優しさがあってホロリとしてしまう,心に訴えかけてくる音楽をしていたように思う.
ただ,最近は女性ファンが圧倒的に増えた結果か,大衆受けで「君らのことを大切に思っているよ.いつもありがとう」ということしか歌っていない気がする(人としては素晴らしい).
例えば,「乗車券」とかはもうすごい.チケット無いから奪ったり,「泣き落としで順番譲る馬鹿がいた」という風に順番譲る人を馬鹿にしたり,最後「逃げられない〜〜」ってなったり,現代風刺がものすごい.それに比べて,「君がいたことが宝石になった日」という風に,きれいな言葉を並べるようになってしまった(それ自体はいいこと).
原因は色々あると思うが,大きく分けると2つあると思う.
・事務所問題
・音楽の流行り廃り
ちょっと掘り下げていく.
1.事務所問題
まず事務所問題.
BUMPが所属するレコード会社はTOY'S FACTORYというところで,ここはMr.Children,SEKAI NO OWARI,ゆず,などが所属している.
ここから見ても分かる通り,どちらかというとゴリゴリのロックというよりかはポップスの系統が強い.ここに所属しながらの現代風刺的な曲は書きにくいだろう.
しかし,ここの会社が「社の方針に従わなければ解雇だ」といった感じもしないし,BUMPだったらもしそのような相手だったら反発して出ていくんじゃないかと思う.
ただ,やはりこの会社の雰囲気はどこかしらには影響を与えていると思う.
2.音楽の流行り廃り
これは,最近のBUMPがEDM(Electoronic Dance Music)に流れつつあることが理由だ.例えばButterflyはその傾向が顕著に現れている.
バンド本来の,ギター・ベース・ドラムだけの音で構築されているわけではなく,打ち込みなどを多彩に含めて,「ドッドッドッド」という打ち込み独特の音が入っている.
これは最近の音楽でかなり強い力をもっている,いわば流行りの感じである.そこにBUMPも乗っかったという印象を受けた.最近だとオリラジのPerfect Humanとかもその部類だ.
僕個人としては,この曲を聞いたときに「バンドというよりかDJ?」と思ってしまった.(ボク個人としてDJの知識はまるでないので,あくまで個人の意見)
ファンとしてのBUMP OF CHICKEN
色々述べたが,やはり事務所に入るのも流行りの音楽を取り入れるのも,全ては「活動していくため」に収束する.お金が必要で,そのためにはそういった「売れる音楽」を作らないといけないのだ.
ライブに行ったら,やはりノリノリで動きたいし,手を挙げて振りたい,という人がほとんどだろう.その人達にまた来てもらうための最善策を取っているように僕は感じる
.だから仕方ないのである.人は変わる.
変わってしまうのだから,僕らファンとしてもその変化を認めないと行けない.「昔は良かった.今は糞.」なんていうのは少し頭が固い.
だからといって今を絶対に好きにならなくてはならないというわけではない.
例えば延々と昔と同じような曲を作っていっていたとしたら,それはそれで飽きてしまうことだろう.それよりかは新しいことを実践して,新規顧客を増やしたほうが良いことはわかるだろう.(新しい物を取り入れたら新しい音楽ができることは当然で.僕個人としては,ギターとベースとドラムだけで新しいことをしてくれるほうが100万倍素敵だと思うし,聴いてて楽しいけれど)
では,僕らはどうすればいいか.
これは簡単なことで,
「代わりとなる人達を探して応援する」
だ.
BUMPが変わったんだから,僕らも変わっている.昔嫌いだった曲が急に好きになるように,見えなかったものが見えてくる.ひとつだけを見て徹底しないで,柔軟に幅を広げていけばいい.いつまでもその人達に同じものを求めることが間違いだ.
そうしていって,またBUMPが「お,これいいじゃん」って思う曲を作ったときにふっと戻ってこればいい.それでいいじゃないか.