何時かのサイレンが聴こえますか.
このたび,ノクターンで新譜をリリースしました.
何時かのサイレンe.p.という3曲入音源をデジタルリリースしたところ,
Spotifyの公式プレイリスト
「New Music Wednesday」
と
「Edge!-Japan Indie Picks−」
で「海底」が,
YouTube Musicの公式プレイリスト
「J-Rock Rising~邦楽ロック新着~」
https://music.youtube.com/playlist?list=RDCLAK5uy_lSERWgd6wIk83B9NbwmCE-Z-JWlyaUlto
で「音楽室」
がそれぞれ選出されました.
Edge!とJ-Rock Risingに関しては,プレイリストカバーを取りました.
※プレイリストカバーになるとは,プレイリストの一曲目で,アーティスト写真がプレイリストカバー画像に使われることです.タワレコの視聴機の一曲目に選定されているのと同じ感じです.
正直よく理解できていないです.大抜擢です.良い音源が作れたとは思っていましたが,こうピックアップしてもらえると実感がわきます.このまま多くの人にノクターンの音楽を聞いてもらいたいです.
良い音源が作れて良かった.この音楽が必要としている少しでも多くの人に届くことを,いつも願っています.
音楽室と海底は,音楽の性質上真逆のような立ち位置にあります.
なので,音楽室も同等の評価を受けられたのは,僕にとってかなりの安心になりました.
ノクターンというバンドは,ただのポストロックやマスロックのバンドではなく,芸術表現を行うバンドであることを再認識していただけるe.p.になっているかと思います.
僕は歌を歌うことが好きです.
歌を歌うことが好きな人には,音楽室がおすすめです.
キラキラとした,でも少し暗い想い出の中のような,暖かくも寂しい感じがするかと思います.
メロディを大切に作りました.耳にすんなり伝わると思います.ハモリも美しく合わせました.
曲の間延びを防ぐために,素直な展開を多めに入れました.6分って感じしないでしょ?とても完成度の高い作品です.当初のMV候補曲でした.物語性の強い曲です.ついつい口ずさめる良いメロディになっています.
僕は遊び心の多い音楽が好きです.
そういった人には,haiseがおすすめです.
無機質で閉鎖的な空間と,時折飛び出てくるファズの音や,リズミカルなギターとドラムのフレーズ,どこをとっても楽しいと思います.
特に元気になるような詩ではないですが,そういう言葉が必要な人がたくさんいることを僕は知っています.「悪いものは壊そうよ」です.「正しいのは君の心」です.
これはMV公開の日程もかなり意味があります.裏付けの多い曲です.
僕は轟音の音楽が好きです.
そういった人には,海底がおすすめです.
この曲は3曲の中で特に思い入れが強いです.精神を犠牲にして作ったような曲です.
テクニカルな話をすれば,シューゲイザーを僕が解釈するとこうなる,というのを実践した曲です.
芸術とは解釈なので,こういう作品の作り方はある種普通であり,ただ僕に取ってはとても新鮮でした.
現状のノクターン的シューゲイザーはこのイメージになります.轟音の音作りにこだわりがあります.2ピースでいかに轟音を出せるか.イコライジングから研究し,現時点では最高の棲み分けになっているかと思います.2ピースでこれをやることが楽しいし,意味があるのです.
詩は,これでもかというくらい書き殴りました.この曲内では「明日になったら」という言葉に希望はありません.僕らは希望を持たないまま明日を迎えることがよくあります.
「ふとした時,遠くの方から何か尖ったような音が聞こえたような気がした.振り向くと燃えるような夕焼けの向こうに,巨大なサイレンを携えた鉄塔が見えた.そのサイレンが鳴り響いているのだ.周りを行く人達はこのサイレンが聞こえていないようだ.ただ確かにあれは鳴っているし,僕はその方向に足を進めた.僕は,この音が何時かのサイレンと同じ音だと気づく.僕らは美しくありたく,手の届かない場所にあるものをひたすらに追っていた.このサイレンが鳴り止んだら,僕はまた迷子になってしまう.僕は急いで歩を進めた.」