朝ごはんを食べること
朝,起きたら外から鳥が囀る声が聞こえて来るわけでもなく,目覚まし時計の音で目が覚める.
いつの間にか,目覚まし時計の音がトラウマに鳴っていることに気付くけれど,それで起きれるのだから問題ないかなとも思う.
心臓の音が耳に響いて,「あーこりゃやばいな」とか思いながら思い切り立ち上がり,カーテンを空ける.日差しがさすわけもなく,曇りだ.
天気に左右されるような軽い精神でもなく,晴れていても曇っていても雨でも,変わらず眠さだけが脳を埋め尽くす.
朝ごはんはだいたいパンを食べる.
パンを焼く時は,うっすら焦げ目がつくくらいが良い.
熱が逃げないうちに薄くバターを塗ってかぶりつけば,少し目も覚めてくる.
温かいコーヒーを入れて,その香りを嗅ぎ「あー今日も行かないとなー」としんどい気持ちにけじめを付け,どうでもいい朝のニュースを見る.
ニュースの左上の時計が20分になったら椅子から立ち上がり.洗面所に向かい歯を磨く.
ヘアバンドで髪を束ね,洗顔剤で顔を洗えば目が覚める.
そうして,どたばたしながら着替え,時間ギリギリで家を出る.
繰り返しの日々の中で,何度も何度も食べた「あさごはん」という概念に飽きることはない.
朝目が覚めれば腹が減る.
腹が減るからパンを食べる.
それで良い.
それが良い.