時計の秒針音

少しずつコツコツ意味を貯めてく

池袋も新宿も美しさなんてどこにも無い

雑音 雑音 雑音 雑音

「東京」という言葉に騙されて、人は虫のように集まり、言葉を発していく。二人でいるのにその言葉は相手に届かない。いや、届けるつもりもない。喋れればいいのだ。異性の品定め。浮気の自慢。居酒屋のキャッチ。ナンパ。汚い言葉が溢れている。その言葉が地面に落ちて、アスファルトにじんわり染み込んでいく。こうして美しかったものは汚く汚れていく。吐き捨てられたガムみたい。

みんな自分が大好きで、それを着飾って外に見せているだけだ。人が集まるから、人に見られるから、私は綺麗だから。綺麗って何。お前綺麗じゃないよ。全然綺麗じゃないよ。そんなにはだけてどうしたの。それ、性欲が向けられてるだけだから。勘違いしない方がいいよ。綺麗な人は綺麗な生き方してるいるよ。

建造物は作られた瞬間が美しい。そこからは少しずつ少しずつ汚れて削れて寂れていく。作られた美しさの集まりだ、東京なんて。人が寄りかかるための壁でしかないよ。悲しいね。

金で女が買われて、性欲を吐き捨てて、男はそこに優越感を抱き、女は価値を見出す。そこに愛なんてない。なんだこの世界は。

避けるつもりの無い人が僕の肩にぶつかって歩く。まるで自分だけの道だと言わんばかりに。「ごめんなさい」って一言言えれば、世界は丸くなるんだろう。君がぶつかっても、何にも解決しないよ。

みんな自分勝手だ。自分勝手でそこに愛なんてない。自分が良ければ良い世界。

どんなに威張っていても、信号が青になれば皆同じに歩き出すから、世界は平等なのかもしれない。

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