時計の秒針音

少しずつコツコツ意味を貯めてく

音楽はビジネスか,手紙か,芸術か

なんだか最近,調子が悪くて,

作りたい音楽はあるのに,何故か頭から外に出てこない息苦しさに襲われている.

 

不安定な状況と,沢山の決断に頭がパンクしそうで,

好きな詩集を読むことも疲れてしまって,

すぐに眠りについてしまう.

 

 

 

ふと,自分の音楽を聞く時があって,「やっぱりこれはわけがわからないな」と思った.

 

例えば,雨傘と天気雨なら,「光が射しながら雨が降る.僕らは空に染まる」という詩があって,

これに自分を重ねたりすることって,誰も出来ないんじゃないかなって思う.

誰かに,何か自分の思いを伝えたいわけでもない.

僕らの音楽は芸術だ.

 

音楽には色んな種類があるけれども,なんだか3種類に分けても良い気がするんだ.

 

お客さんが好きな音楽を作るビジネス的な音楽と.

 

自分の思いの丈を伝えたい手紙的な音楽と.

 

ただ自分の好きなように作る芸術的音楽.

 

自分の思いを相手に伝えるって僕には全く理解できなくて,すごく疲れてしまう.

僕には僕の考えがあって,誰かには誰かの考えがあって,それでいいのに,「これはこうである」って言うのをぶつけてくるのってとても疲れる.

 

「お前ら手を挙げれるかーーー」って言うのもさ,手を挙げたければ自分で挙げるし,手拍子したかったら自分でするし,なんだかな.

 

お客さんのための音楽っていうのも有りなのかもしれないけれど,僕的には違うかなと思う.完全に商売したいならそれで良いと思うんだけれど,そこには作り手のぐちゃぐちゃした物は一個もないよね.「こういうの好きなんでしょ?はいどうぞ」って感じが見えてしまって,僕は聞けない,そういう音楽.

それで喜んでしまうのもなんだかなぁ.

 

なんで音楽をやっているのかって,沢山のバンドマンがMCとかで話しているけれど,どうでも良いよね.

そんなの楽しいからに決まってるし,自分が楽しいことを他の人も一緒になって楽しくなれるなら,そんな最高なことはないよね.

悲しい音楽を聞いて,悲しい気分になって泣いちゃうのも楽しいよね.

懐かしい音楽を聞いて,夕焼けが目に染みるのも楽しいよね.

だからやっているんだよね,僕らはきっと.

だから音楽聞いてるんだよねみんな.

 

それってとても素敵なことだ.

 

何が芸術かって,わからないけれど,僕は僕の信じることをしたいし,それにみんな付いてきてくれれば良いな,と思っているつねづね.

勉強

勉強を振り返ると,僕は自分のものにするまでに大変時間がかかっていた.

塾や学校では,問題の解き方は教えてくれるけれども,勉強の仕方を教えてくれる人はあまりいないのではないだろうか.

問題に対するアプローチ,つまり戦い方を教えてはくれるんだけれど,武器の持ち方や作り方を教えてくれる人に出会ったことはなかったな.

魚を与えるんじゃなくて,釣り竿を与えて魚を自分で釣れるようにする.みたいなことわざあったよね.
自分で武器を作るまでに,僕はとても時間がかかってしまい,それを扱う時間がまたかかり,結局不完全なまま立ち向かうことが多かった.

 

自分の頭の中で,沢山処理して,自分の形を作って初めて上手く使えるようになるし,使えるようになったら応用ができるようになる.

 

なんでもそうで,まずは戦うための武器を作ることが大切だ.

 

 

と,受験期の弟を見て思う.

乾電池

人間は充電が効かない乾電池だ.

また,言い換えれば花ということも出来る.

生まれた瞬間開花して,死ぬまでに何枚もの花びらを散らしていく.

だから,散っていくさまが美しいから,僕らが生きているそれだけで美しいのだろう.

 

死ぬまで音楽をしていたい.

多くの時間を家族と過ごしたい.

好きな人と過ごしたい.

大切な人と過ごしたい.

 

僕が76歳で死ぬとして

残り時間は53年間.

人が定年退職するのは60歳だから,それまでは37年間.

時間は有限,僕のことを嫌いな人に割いている時間は無い.

その分好きな人や大切な人,大切なことに時間を割かないと.

 

今こうして文字をおこしている時も,電池から放電している.

何をやるにしても,時間がない.時間が無限にあるなんて誰が言ったんだ.

全然ない.

 

好きなことをしていたい.

好きな人と一緒にいたい.

僕を嫌う人に愛想笑いする時間がもったいない.

「自分のことを好きな人が好き.」

それでいいよ.

 

僕らの命は有限なんだから,何に使おうが勝手なのさ.

走りきりの車じゃなくて,僕らには色々な可能性があるのだから.

 

あと500年位生きていたい.

そうすれば少しくらい,無駄なことも出来るかもしれない.

 

一回しか生きれないから,本当に毎日全力でやり遂げないとダメみたいだ.

 

まだ,生きていたい. たくさん生きていたい.

やりたいことが多すぎる.足りない.

月光を照らす vol.1

遅くなったけれど,大事なことなので記録としてしっかり残しておきたい.

僕らノクターンとしてどこまでできるのかの限界に挑戦した日.

12月20日下北沢LIVEHOLICでレコ発企画ライブ「月光を照らすvol.1」を開演した.

 

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この企画は,ねねちゃんノクターンに加入して初めてレコーディングした曲達で構成されている「空に染まるe.p.」の発売記念イベントだ,

twitter.com

バンド形態で初めてライブをしたのが今年の4月ごろ.下北沢ReGだ.

それから現在に至るまで彼女は本当に成長したし,今も成長しているしこれからも成長すると思う.

良いドラムを見つけることが出来た.本当に良かった.

 

僕らはこの企画で人が呼べなかったらもう解散するしかないと思っていた.

いくら自分達の音楽に自信があっても,自分達が主役の企画でちゃんと結果を残せなければ,それは客観的に良い音楽では無いのだろう.本当にそのくらいまで切羽詰めていた.

 

僕が今ある全ての芸術的思考を余すところなく吐き出した曲だ.もうtwilightのときとか死にそうになっていた.

 

企画するにあたって,平日ということもあり僕は本当に不安だった.本当にお客さんは来るのか?

いや,くるはず

いや,でも下北沢遠いし

いや,でも本当に音楽が好きな人はここに来なくていつ来るの?

いや,でも...

 

という自問自答を何度も繰り返していた.

僕らの音楽は,今のシーンの音楽では無い.間違いなく.

所謂Jロックから外れた位置にあり,ライブをしても「うおおおおお!!かっけぇ!!」というような風にはならない.知っている.

僕らは音楽に芸術の要素を求めているからだ.

共感とかいうわけわからないものではないんだ.

詩と音楽,どちらも最高に美しいんだから,二つ合わせれば必ずもっと素晴らしいものが出来上がるではないか.

その思想を高校生の時から抱いていた.

 

バンドマンとブッカーに受けの良い音楽,とよく言われるし,自分達もそう思っている.

でもTwitterなどで広がるのは,決まってJロックだったりする.

だから,「企画来んのかな,人」と漠然とした不安に押し殺されそうになっていたのである.

ただ,様々なブッキングの際に間違いなくこの音楽界隈のバンドもいて,みんな同じような悩みを持ちながら自分達の音楽を信じて突き通していて,僕はその人達と一緒に頑張っていきたいと思ったし,負けるかとも思ったし,すごく良い刺激になっている.互いに尊敬し合えるバンドが増えたから,一緒にシーンを作れると信じている.

(友達増えた.とても幸せだ.) 

 

 

どうせだから音源についても語ろう.

出来た順番は

1.雨傘と天気雨

2.水源

3.twilight

の順だ.

雨傘と天気雨は,渋谷CLUB CRAWLのラジオでも流してもらったりしたので知っている人も中にはいると思う.

ただ,最後のtwilightは聞いた人も少ないのではと思う.

 


ノクターン『twilight』

ぜひ聞いて欲しい.

この企画のために撮り下ろした.

主演はミスiD2018で東佳苗賞を受賞した美鈴さん.

twitter.com

(受賞する前に発見できてよかった.)

 

twilightとは黄昏のことで,太陽が登る・沈む途中で起こる全てがぼやけてしまう瞬間のことだ.

人は歳を取る度に,どんどん同じように無個性になっていってしまう.

輪郭がぼやけていくのだ.

僕らは完全な生き物じゃないから,だからこそ触れ合ったりしないと壊れてしまう.

心は満ちたり,満ちなかったり不安定で,なんて脆いんだろう.

泣いたり笑ったり怒ったり,そうやって色んな色の君がいる.それを押し殺して無個性になっていく.

それは本当に哀しいことだ.

君はきっと「それはきっと間違ったことだ」と気づいているんだけど,なかなか言い出せない.

そんな中君が密かに抱えた心の闇に僕は触れたいんだ.

ぼやけた君の輪郭を僕は捉えているのだ.

 

 

 

本番,僕らは本当に様々なバンドに支えられた.

特に対バンとして出てくれた

奮酉

プールと銃口

宇宙団

Marmelo Brewery

には感謝しかない.

 

奮酉に関しては以前のレコ発でも出てくれた.本当にありがとう.

 

彼・彼女らのライブは本当に素敵で,呼べてよかった.

 

 

僕らの出番.僕はノクターンとしてライブを企画するなら,他のバンドとは明らかにすることが違うと考えた.

ライブ中のMCを筆頭に,僕らは様々な要素を詰めた.

僕らはライブ中にMCをしない.

それはノクターンのセカイを破壊しかねないからだ.

またアンコールのタイミングでの一工夫もした.(来た人しかわからないけど)

来てくれた人が「こんなインディーズのライブ見たことない」と感じるよう本当に考えた.会場SEも本当は自作したかったなぁ.

来てくれた人が「たった30分だったけど,今までに見たことのない,大きな1つの物語を見ているようだった」と言ってくれて,自分達のやりたいことが達成できたと思った. 音楽で,ライブで一つの物語を作る力がある証明だ.これからも頑張りたい.

 

当日のセットリストは以下の通り

  • 月光を照らす
  • 逆光と言う名の花束
  • 水源
  • 雨傘と天気雨
  • 救命するグレートヒェン
  • 「」
  • ホーラの映写機
  • twilight

Anc

  • レンガ通り

本当にたくさんの人達に来てもらった.

最高のライブが出来たと思う.君の記憶の一部になれたなら,それはとても素敵なことだと思うんだ.

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「月光を照らす」の音源は,当日デモ版として先着約30人に配布した.

また,ノクターンの取り置きの人には缶バッジをプレゼントした.

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白と黒の2色だ.三角形は月から降りてくる月光を表している.オシャレでしょ?

空に染まるe.p.を購入してくれた方にも配っているので,今後も購入してくれた人には配布するのでお楽しみに.

 

2018年夏頃に,新たなレコ発企画を行う.

月光を照らす vol.2

今から楽しみである.

Marmelo Brewery

12月5日20時,Marmelo Breweryが解散を表明した.

 

彼らと出会ったのは下北沢ReGだ.一回の対バンで打ち上げで意気投合して,その後彼らのレコ発&企画に呼んでもらった.

 

「なんでなんだ」の一言に尽きる.

最高の音楽なのに.僕は彼らが大好きだ.

 

売れる音楽か.流行る音楽か,わかりやすい音楽か.

レーベルに入ることができればまた変わっていたのだろうか.

 

今の音楽業界の流行りをどうこう言うつもりは無いし,そういう資格も無いと思うけど,

彼らみたいな音楽を失ったことは,大きな損失だ.

そういう,芽の出かけな種子を見つけて水を上げるのが業界の仕事何じゃないだろうか.

バンドはそこに見つかるようにぴょんぴょん跳ねていないといけないのか.

 

防御的で安直な考えのもとに,世にある音楽は似たり寄ったり.

違いはバンドマンの人柄か?

一番下の種の時から,「一緒に頑張ろう」とすることって無いのかな.

 

彼らの音楽は攻めに攻めている.ただ,人を突き放す音楽ではなく,むしろ寄り添う.

拍子は取りにくいかもしれないけど,とても聞きやすい.

ボーカルの歌声とバンドのアンサンブルは本当に素敵で,eggsのコンテストの音源を何回聞いたかわからない.

あの曲の構成力は他に見たこと無い.

 

僕は彼らの音楽に出会えてよかったし,彼らを知らない人たちは可哀想だと思う.

間違いなく僕の作曲の力の一部になっていて,記憶から音を発している.

 

企画に呼べてほんとに良かった.

僕は彼らが大好きだ.

だからこそとても残念で,とても悲しいよ.

でも,彼らの方が哀しいから,彼らの決断を尊重したい.

「続けてよ」なんて言えないよ.

バンドは最高に楽しいけど,それと同じくらい苦しいことも沢山有ることは知っているから. 

 

残り数回のライブ,悔いの残らないように.

ライブ行きます.

ものづくりじゃないか,人が生きる意味は

陸王を見た.

もう結構年配のおじさんが自分の夢に向かってひたむきに進んでいって,周りを巻き込んでいくドラマだ.

なんて熱いんだろう.

泥臭くぶつかり合っていく彼らに,僕はいつのまにか心臓を高鳴らせている.

決して効率よくはないそのやり方は,ものづくりの根幹であり,それは生きることそのものな気がした.

 

信念

 

という言葉を掲げたい.

僕も1芸術家として,その言葉に自問自答を繰り返している.

なぜ作るのか,なぜそうなのか,なぜそうではないのか,

なぜ,なぜ,なぜ.

この繰り返しだ.全ては意味がある.意味の無い(思考の足りない)ものは無駄なものだ.

信念を持ってより良いものを作ろうとした時に,同じ水準で考えていない人のものはすぐわかる.小手先でやっているのが嫌でも伝わってしまうんだ.

 

良き足袋のために,プライドのために,彼らはひたむきにランニングシューズに向かっていく.

50を超えたおじさんがだ.その年齢で新しい靴を作るために,怒ったり悩んだり頭を下げたりするのだ.なんて素敵なんだろう.

夢に年齢は無いんだと気付かされる.

 

僕はまだ若い.若いんだから好きなこと,やりたいことをやらないと.

お前らが馬鹿にするゆとりだが,それでも必死に食らいついているんだぞ,腐った世界だからこそ良い面を見ようと精一杯なんだ.

ものづくりを続けることが,人生である.僕はものづくりを続ける.

それが生きるということだ.

 

言葉を生み出す

言葉を生み出すことが どれほど苦しいことか あまりわからないだろう

頭の中を言葉にするのは とても労力がかかる

わからない

わからないことを ひたすら考える

僕の頭は とてもぐちゃぐちゃで

わかってもらえない と常に思っている

誰にもわからない

わからないでしょ なぜあんな曲になるのか 詩になるのか

僕にもわからない

 

とてもわかり易いように説明することはできる

ただ,それは表面上のことなのだ

心は 深く渦巻いて 延々と

まるでレコードのように 延々と

繰り返し繰り返し 現れては ふっと消えてしまう

 

昔,国語の授業で可愛らしいものを伝える というものがあった

みんな思い思いに書くんだけれど もちろん僕も書くんだけれど

小粒の雨が 傘に当たった時の音 がとてもかわいらしい

と書いたら よくわからない とチェックをもらった

だから にくらしいものを伝える という課題の時は

骨折してスポーツができなくなること

と書いて丸をもらった

そういうことだ.

 

言葉が溢れる

嘘を付けない

仮面をかぶ

笑う

模範解答のような答えを蓄積する

反射のように吐き出す

心が淀む

周りは喜ぶ

自分は死んでいく

 

僕は 言葉を生み出す事ができなくなったら

きっと人として死んでしまう

 

こうやって誰か不特定多数の人に

さらっと読んでもらって

少しでも僕の言葉の意味を知ってもらえたらと思う

 

そうすることで 僕の言葉は救われる

 

未来の僕は まだちゃんと僕でいるか.